「ブラウンノイズを流すと作業がはかどるらしい」——そんな話、SNSや動画サイトで見かけたことはありませんか?
海外では「brown noise」がADHD当事者の間で大きな話題になって、関連動画の再生回数は数億回規模になっています。とはいえ「ただの雑音でしょ?」と半信半疑の人も多いはず。私も最初はそうでした。
こんにちは、ノイズアプリ「FocusNoise」を作っているWatanabeです。この記事では、開発の中で調べたこと、そして毎日使って分かったことをもとに、ブラウンノイズの正体と現実的な使い方をお話しします。
ブラウンノイズは、色付きノイズ(カラードノイズ)と呼ばれる雑音の一種です。ちなみに「ブラウン」は茶色のことではなくて、ブラウン運動を発見した植物学者ロバート・ブラウンさんが由来。ランダムな信号を足し合わせていくと、ちょうどブラウン運動の軌跡と同じ性質の信号になるんです。ややこしいですね。
音としての特徴はひとつだけ覚えれば大丈夫です。高い音がほとんどなくて、低い音が主役。専門的に言うと、周波数が1オクターブ上がるごとにエネルギーが6dBずつ減っていきます。
耳で聴くと、こんな印象です。
ノイズが集中を助ける仕組みで、いちばん納得しやすいのはサウンドマスキングという考え方です。
集中を削るのって、実は音の「大きさ」ではなく「変化」なんです。同僚の話し声、ドアの開閉、通知音。静かな環境ほど、こういう突発音が際立って、注意をガッと持っていかれます。
そこで一定のノイズを流しておくと、突発音との音量差が縮まって、脳が「変化」として検知しにくくなる。シーンとした図書館より、ほどよくザワザワしたカフェのほうが集中できる人がいるのは、まさにこの効果です。
ブラウンノイズがマスキングに向いているのは、人の話し声のエネルギーが集まる低〜中域をしっかりカバーしつつ、聴いていて不快になりにくい絶妙なバランスだから、というわけです。
大きければ効く、というものではありません。目安は、周囲の話し声や物音が「気にならなくなる最小の音量」。それ以上に上げると、今度はノイズ自体がストレスになってきます。まず小さめで流して、雑音が気になったときだけ少し上げる。この運用がいちばん長続きします。
FocusNoiseの開発中、いちばん多かった問い合わせが「ブラウンノイズが聞こえません」でした。実はこれ、故障でもバグでもなくて、スマホの小さなスピーカーは物理的に低音を出せないんです。ブラウンノイズはエネルギーの大半が低域にあるので、スマホスピーカーだとほぼ消えてしまいます。イヤホンかヘッドホン、または外部スピーカーで聴いてみてください。世界が変わります。
毎回同じノイズで作業を始めると、「この音が鳴っている間は作業する」という条件付けが育っていきます。集中の立ち上がりが早くなるこの感覚は、開発者の私自身がいちばん実感している効果です。
ブラウンノイズは、低音寄りの特性のおかげで「不快感が少なく、話し声をマスキングしやすい」雑音です。コツは、控えめな音量・イヤホン推奨・作業の合図として使うこと。
FocusNoiseなら、ブラウザを開くだけでブラウンノイズとホワイトノイズを無料でミックスできます。まずは1回の作業セッションで試してみてください。
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