FocusNoise 開発の裏話 — ADHD気質の私が「混ぜられるノイズ」を作った理由

2026年7月5日 · FocusNoise 開発者

こんにちは、FocusNoiseを作っているWatanabeです。

このアプリ、実は「世の中にないから作った」というより、「自分が困りすぎていたから作った」と言うほうが正しいです。今日はその裏話を書かせてください。同じ悩みを持つ人に届いたらうれしいです。

私の頭の中はいつも騒がしい

私はいわゆるADHD気質です。仕事中、気づいたら全然違うことを考えている。さっきまで書いていた資料のことを忘れて、ふと目に入ったニュースを追いかけている。そんなことが1日に何度もあります。

人とミーティングをすると、そのあとはつかれ果ててしまって、しばらく使いものにならなくなる。頭の中に霧がかかったようにモヤモヤする、いわゆるブレインフォグのような感覚も、私にとっては日常茶飯事でした。

「どうにかして目の前の作業に集中できないものか」——そうやって調べまくっていたときに出会ったのが、ブラウンノイズでした。

ブラウンノイズは効いた。でも——

最初にイヤホンでブラウンノイズを流しながら作業したときのことは、よく覚えています。頭の中のざわざわが「ゴーッ」という低い音に塗りつぶされて、目の前の作業だけが残る感覚。おお、これはすごい、と。

ただ、使い込むうちに弱点が見えてきました。人の声には勝てないんです。

私はフリーランスで、自宅が職場です。そして妻も同じくフリーランスで、日中は同じ家で仕事をしています。ブラウンノイズで集中できていても、隣の部屋から妻の咳払いがひとつ聞こえるだけで、意識がそちらに持っていかれる。ちょっとした雑音にさえ神経質になってしまって、一度切れた集中を取り戻すのに、毎回かなりのエネルギーを使っていました。

ADHD気質の集中は、点火に時間がかかるくせに、消えるのは一瞬なんですよね。

人の声は「ホワイトノイズ」で消えやすかった

ノイズキャンセリングイヤホンも試しました。ただ、ノイズキャンセリングは電車の走行音のような一定の低い音は得意でも、人の声のような不規則な中高域の音は苦手です。咳払いや話し声は、けっこう素通りしてきます。

それならマスキングだ、と色々な音を試した結果、たどり着いた答えはシンプルでした。人の声の帯域は、ホワイトノイズでちょうど消えやすい。ホワイトノイズは高い成分まで満遍なく含んでいるので、声のシャリシャリした成分までカバーしてくれるんです。

つまり私に必要だったのは、こういう組み合わせでした。

「混ぜられるアプリ」がなかった

ところが、です。SpotifyやYouTubeで探すと、あるのは「ブラウンノイズ10時間」か「ホワイトノイズ10時間」のような、どちらか片方だけの音源ばかり。

ブラウンノイズを選べば集中はできるけど、声が素通りしてくる。ホワイトノイズを選べば雑音は消えるけど、シャーという高音が長時間だとしんどい。集中力を取るか、雑音消しを取るか——ずっとこの二択を強いられていました。

「2つを自分の好きなバランスで混ぜられたら、それが自分にとって最高の集中環境なのでは?」

探しても、しっくりくるものが見つからない。だったら作ってしまおう。そうして生まれたのがFocusNoiseです。

だからスライダーが2本並んでいる

FocusNoiseを開くと、ブラウンノイズとホワイトノイズのスライダーが並んでいます。あれは「機能を増やした」結果ではなくて、あの2本こそが、このアプリを作った理由そのものなんです。

私の定番は、ブラウンノイズを土台にしっかり流して、ホワイトノイズを「妻の生活音がちょうど消える最小限」だけ重ねる設定。周囲の状況で毎日微調整しています。静かな早朝はブラウンだけ、日中はホワイトを足す、という具合です。

ほかにも、自分が毎日使うからこそのこだわりがあります。

同じ悩みを持つあなたへ

気が散りやすい。人の声に意識を持っていかれる。ミーティングのあとは消耗して動けない。頭にモヤがかかる。——もし心当たりがあるなら、一度「ブラウン+ホワイトを自分のバランスで混ぜる」を試してみてください。

もちろん、ノイズは魔法でも治療でもありません。私も調子の悪い日はあります。それでも、「集中できる日」の割合が目に見えて増えたのは確かです。

FocusNoiseは無料で、ブラウザで開くだけで使えます。あなたにとっての「ちょうどいいバランス」が見つかりますように。

FocusNoise を使ってみる