在宅ワークって、通勤がないぶん楽なはずなのに、なぜかオフィスより消耗しませんか。1日の終わりに「あれ、今日何やってたんだっけ」という感覚だけが残る日。
私はフリーランスで自宅が職場なので、この悩みと何年も付き合ってきました。そして分かったのは、集中できない原因を「意志が弱いから」にしてしまうと、対策のしようがないということ。
原因は音・通知・視界の3つの刺激に分解できます。分解できれば、それぞれに対策を当てられます。
自宅の音は、オフィスの雑音と性質が違います。家族の生活音、宅配のチャイム、隣人の物音。どれも音量は小さいのに、「自分に関係あるかもしれない音」だから注意が強く引っ張られるんです。
わが家の場合、妻も自宅で仕事をしているので、隣の部屋の咳払いひとつで集中が飛ぶことがありました。この体験がFocusNoiseを作るきっかけになったくらいです(詳しくは開発の裏話で)。
対策は2段構えがおすすめです。
「音楽じゃだめなの?」とよく聞かれるんですが、歌詞のある曲は言語を処理する脳のリソースを使うので、文章を読んだり書いたりする作業とぶつかります。作業用BGMなら、歌詞のないノイズや環境音のほうが干渉しません。
集中が途切れたあと、元の没入状態に戻るまでにはかなりの時間がかかると言われています。通知を見るのは数秒でも、失うのは数分〜数十分。1日に通知が30回来るなら、積み重ねの損失は数時間になり得ます。
自宅の作業机からは、洗い物、洗濯物、読みかけの本、趣味の道具が見えます。これ、ぜんぶ「あとでやること」の視覚的リマインダーなんですよね。目に入るたびに、頭の中のスイッチがカチカチ切り替わってしまう。
対策をバラバラにやるより、作業開始の手順として毎回同じ順番で実行するのがおすすめです。私の毎朝のルーティンはこうです。
2分もかからない手順ですが、「音・通知・視界」の3方向を一度にふさげます。そして毎回同じ手順で始めることで、ルーティン自体が「これから集中するぞ」という脳への合図に育っていきます。
在宅ワークの集中力は、意志力の問題ではなく環境設計の問題です。音はノイズでマスキング、通知は集中モードでブロック、視界は壁向きの机で遮断。この3点セットを開始のルーティンに固めれば、自宅は意外なほど集中できる場所になりますよ。
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